フジロック2019に行ってきた話
(さぼり癖のせいで記事にするまでに3週間かかり
若干あの時の興奮がおさまりつつありますが思い出しながら書きます)
夏を前にすると『フジロックに行きたい』と口癖のように
8年くらい言い続けてきたんですが、
言うだけ言って逆に一生行かないんじゃないかとも
我ながら思っていましたが、ついに今年フジロックに行ってきました!!
今回は、キャンプサイト券を購入し、2泊のテント生活に。
金曜日の朝ながら、今年はほとんどのチケットがソールドアウトだったこともあり
到着の段階でそこそこの数のテントがすでに張ってあった。
天気もよかったので設営は順調に進み、完成。
友人のテントは2人用と聞いてはいたが、狭い。。。
しかし寝床があるだけ感謝、である。
テントに荷物を預けていざ入場!
ここからは見たアーティストを順番にまとめていく。
①RED HOT CHILLI PIPERS
苗場で最初に聴いた音楽はColdplayのFix Youのバグパイプバージョンだった。
朝一のオープニングアクトとして相性抜群ののびやかな演奏だった。始まった感。
②SHAME
サウスロンドンのまだ20歳ちょっとの5人組。去年の出たアルバムも良かったし期待値は高かったんですが、ライブはほんと笑っちゃうくらいエネルギッシュで、特にやたらめったら動きまくるベースと感情爆発のボーカルが痛快だった。半信半疑で連れて行った友人もめちゃくちゃ満足していた。Joy Divisionみたいだねなんて話をした。RHCPは少し見ただけだったので、しっかり見たのはこれが3日間で一発目だったけど今でもかなり印象に残ってるし、ベストアクト級だった。
③KING GIZZARD & THE LIZARD WIZARD
めちゃくちゃメタルなライブだった。ファンが予習のために最新アルバムを聴いてきたはずが、フジ直前にまた新たしいアルバムを出すという異常なスピード感に付いていけない・・・。Robot Stop〜Gamma Knifeが聴けたので満足です。
④JANELLE MONAE
数曲だけ聴いてあんまり予習せず観たけども、この日1番エンターテイメントを感じたライブだった。一つ一つの動作全てに美しさがあった。かっこよかった。
⑤TORO Y MOI
レッドマーキーに着いた頃には超満員でチャズの顔ほとんど見えず。。
Ordinary Pleasureをなんとか聴けて激狭の空間で踊った。
エルレのために早めに移動。
これを観に苗場に来た人もたくさんいたであろうエルレ。
個人的には1年前に奇跡的にマリンスタジアムが当選したので見るのは2度目。
その1年前のライブは憧れが強すぎたせいか、呆然と立ち尽くすしかなかったのだが、
今回はちゃんと楽しめた気がする。思い出フィルターがかかっているのかもしれないが、
散々いろんな音楽聴いてきたつもりだけど、自分の原点はここだと思わせてくれた。
本当に周りの人達みんな歌ってた。それが嬉しかった。まだまだ続けてくれ!
⑦MITSKI
最後のスターフィッシュを聴きながらまたレッドマーキーに移動。
活動休止を発表したMITSKI。ライブの映像は過去にも観たはずだったが、
こんなに’’艶かしい’’ライブをする人だったのか?!
なんかずっと机を弄んでいるやたらエロいライブだった笑
良い意味で期待を裏切られた。
⑧TYCHO
MITSKIと直前までどちらを観るか悩んだTYCHO。
結果的には途中でMITSKIを抜けてホワイトまでせっせと歩いた。
ハイジカレーを抜けたあたりで、なんだか異常に透き通る音色が聴こえて
きたのを今でも覚えている。
ホワイトにつくと、信じられないくらい美しい光景と音に一瞬でやられた。
本当にうっとりしてしまった。これは最初から観たかったなと少し後悔。
いつかまた来日した時には絶対に観に行こう。
TYCHOでうっとりしたのも束の間、グリーンに戻る最中、まだまだグリーンまでは
そこそこ距離があるはずなのに、爆音で「GO」が聴こえてきた。歩くスピードが勝手に早まる・・・。グリーンに到着すると、もう笑っちゃうくらいの爆音。こんなデカい場所でこんなに音って響くのかと驚いた。こんなの踊らずにいられるか!!!
圧倒的な照明と映像と音響に完全にぶっ飛ばされました。
MAHとか、映像も相まって洗脳されている気分になった。危険なレベル。
The Chemical Brothers - MAH (Visual)
ピークはSwoon〜Star Guitar〜Got to Keep Onの畳み掛けあたりか。
魂持っていかれそうだった。
僕は完全にライブにおいてはバンド至上主義なので、DJなんて・・・
と思っている節があったんですが、これは圧倒的でした。
結果、3日間でベストアクトはケミブラかもしれない。
これ観れただけで来て良かったと心から思った。
トムヨークを少しだけ観て(ケミブラで放心状態のためトムヨークさえ受け入れられない状態に)テント泊。深夜のレッドマーキーでBIGYUKIとか観るつもりだったが
体力的に無理なことを察した。1日目終了。ボディペーパーで身体を拭いてお風呂は朝入ることにした。
2日目。朝日でテントが暑くなり、起床。そこまで悪い気はしなかった。
朝のシャワーは1時間以上並んだ。シャワーを浴びるのにこんなに待ったのは人生で初めての体験だった。
想像以上に朝の準備に時間がかかり、Tempaleyを観るか、GEZANを観るかみたいな悩みは結果として「どちらも観れない」に落ち着いた。
では2日目。
①ずっと真夜中でいいのに。
注目度の高さと謎さに惹かれて、銀杏を頭から観るのをやめてこちらを選んだ。
予想はしていたけど、顔が全くわからないライティング。ボーカルのACAねさんは
吐きそうなほど緊張していたらしいがそれを全く感じさえない、まっすぐ突き刺さるような歌声で痛快だった。曲の展開も仕掛けが多くて面白かった。人気な理由もわかる。
レッドマーキーから移動するとSKOOL KILLが聴こえてくる。お、峯田が歌ってる。
「愛しておくれ」を聴きながら、10年前の自分に「10年後にはエルレも
ゴイステも生で聴けるぞ」と教えてやりたくなった。
③JAY SOM
爽やかにまったりと・・・しかし若干記憶が薄い。なんでだろうか。
The Bus Song聴けて良かったな。
④UNKNOWN MORTAL ORCHESTRA
JAY SOMをフルで観たせいで20分ほどしか観れなかった。
すごい嬉しそうに演奏してたことが印象的だった。
あとメンバー紹介で、バンドメンバーがけっこう家族経営だったことに驚いた笑
⑤COURTNEY BARNETT
雨も何のその!な超男前ライブだった。ギターの位置、弾き方、何よりレフティーだからなのかカート・コバーンを観ているようだった。こういうライブを観ると体力がちょっと回復する。
⑥ALVVAYS
今回のフジロックでめちゃくちゃ楽しみにしてた一つがALVVAYS。
聴きたい曲は全部やってくれた。
Archie, Marry Meで急に涙腺にきてしまいぎゅうぎゅうのマーキーの中で泣きました。
欲を言えば天気の良いお昼のホワイトあたりで聴きたかったな。。。
ちなみに普通にファン過ぎてサイン会に参加しました。嬉。
そしてこの時から雨がとんでもなく降ってきていた。あまりに激しく降っているので
一時的なスコールだろうとこの時は思っていた。この時は・・・
⑦AMERICAN FOOTBALL
一向に雨がやまない苗場。MARTIN GARRIXを観ていたらアメフトが観れなくなる気がして、一気にホワイトへ移動。そのおかげかわりと前列まで来ることができた。
とにかく雨がすごかった。雨に打たれ続けながらキンセラを待つ。
出てきただけで泣きそうになった。
一曲目、Silhouettes。鉄琴の音と共に歓声が上がる。
ずっと憧れだったアメフトは、異様に雨が似合っていた。
My Instincts Are the Enemyでまた歓声が上がる。大合唱。
アメフトをみんなで歌う日が来るなんて!!
からのHonestly?ついに伝説の1stアルバム曲もきた。続いてThe Summer Ends。
土砂降りの中、何とか目に焼き付けようと必死で見た。雨だし薄めのライティングで良く見えないけど。
Uncomfortably Numbは新譜で一番好きな曲。染みた。。。
いよいよ、ライブの終わりが近づく。そこにいる全員が次にやる曲が何かを理解していた。
Never Meantの印象的なリフが始まると今日一番の歓声が上がる。
「あぁ、俺はこれを聴きに苗場に来たんだ」と思った瞬間ボロボロ泣けてきた。(本日2度目)
もうぶっちゃけ体力は限界に近づいていて、楽しみにしていたSIAは諦めた。
今からホワイトを移動してグリーンに行き、またホワイトに戻ってくる自信はなかった笑
とにかく耐えて耐えて耐え凌いでデスキャブを待った。
後から知ったが、深夜の運営が危険と判断されたらしく、予定よりも15分ほど巻いて
デスキャブが出てきた。
新譜のI Dreamt We Spole Againからスタート。
2曲目のThe Ghosts of Beverly Driveですでに自分の体力が戻っていることに気づいた。
なんかもうめちゃくちゃ楽しい。すごい。Gold Rush、キラキラしてた。。。
Crooked Teeth、思わず声が出る。
What Sarah Said、ここでグッとお客さんの感情を引き寄せる。
I Will Follow You Into the Darkで弾き語ったのち、
I Will Possess Your Heartの神ベースリフ。
Cath...からSoul Meets Bodyの名曲畳み掛け。
トドメのTransatlanticism、後半の展開に気持ちが高まり、今日3度目の涙。
本当に本当に良かった。SIAを観れなかったことを今も後悔していないくらい
最高のライブをしてくれた。
さっきのアメフトが雨に似合うとするならば、デスキャブは完全に雨を忘れさせてくれた。ありがとうデスキャブ。絶対また帰ってきてくれ!!
デスキャブが終わった途端、まだ雨がひどいことに気づく。夢から醒めたようだった。
帰り道、なんかもうわけわかんないくらい濁流になってる川とか、
さっきまで道だったはずの場所が池のようになっていて笑うしかなかった。
キャンプサイトまで戻ってくる頃には完全にびしょ濡れで、流石にこれでは寝られないと死ぬ気でシャワーを浴びに行き、もう全てを諦めてテントに飛び込み、
早く眠りに落ちてくれ・・・!と祈りながら、気づいたら寝ていた。2日目終了。
目が覚めると、朝だった。浸透圧に耐えられなかったテントは雨に濡れ、
僕の背中はビショビショに濡れていた。そういえば何度かその冷たさに目を覚ました記憶はあるものの、何とか眠れたようで本当に良かった。
朝には何事もなかったように快晴が広がっていて、昨日全てを諦めた服やら靴は
もうどうしようもない状態になっていた笑
予備のサンダルに履き替えて、とりあえず天気の良いうちにポンチョを天日干しにしつつ、
荷物を片付けた。背中はビショビショになったものの、あの雨の中何とか耐えてくれた
テントに感謝しつつ、二人でテントを畳み、2泊3日のキャンプ生活は終わった。
大きな荷物をヤマトに預けて、いざ最終日、3日目。
①ドミコ
テントを片付けていたらスカートは観れなかった。
ドミコは2ピースとは思えない爆音で気持ち良いライブをしていた。
②STELLA DONNELLY
テン泊を共にした友人が最も楽しみにしていたのがこのステラドネリー。
僕もすごく楽しみにしていた。
彼女の音楽は、実はかなり社会に訴えかけるメッセージ性の強いものが多いんだけど
それはわかっていても、もうどうしようもないくらいキュートだった。
終始弾けるような笑顔で爽やかに、嬉しそうにライブをする姿に
多分あの場にいた誰もがメロメロになっていたように思う。
ただ、決してアイドルのような存在ではなく、しっかり歌も上手く、
ギターも丁寧で、でもダンスまでやっちゃうハッピー過ぎるライブだった。
しばらくニヤニヤしていた。
③HIATUS KAIYOTE
ボーカルのネイ・パームが出てきた瞬間にその強烈なファッションに目を奪われた
50分くらいライブを観るわけなんだけど最後まで見慣れることはなかった笑
ライブは、誰もリズムを取れない難解さを極めたとんでもないものだった。
④HYUKOH
なかなか観れそうで観る機会のなかったHYUKOHをやっと観た。
「Wanli 万里」からスタート。めちゃくちゃパワフルで圧巻のステージ。
爆発力のある曲も繊細でおしゃれな曲もバランスが良くどちらもハイセンス。
最後に期待通り「LOVE YA!」を演奏。ピースフルで大好きな曲。素敵な締めくくりだった。
⑤Superfly
愛を込めて花束を、生で聴けて嬉しかった。やっぱり歌上手いなぁ。
⑥CHON
レッドマーキーはやっぱり満員になりやすく、なかなかちゃんと観ることができなかった。4曲くらい聴いて、そのテクニックは目に焼き付けた。
2、3曲くらいしか知らず、もう少し予習しとくべきだったかなーと思った。
「I'm Yours」が天気の良い苗場に合わないはずがなかった。
⑧
名前は知っているけれど全然曲を聴いたりライブを観たりすることはないまま、あえてその空っぽの状態で臨んだ平沢進のライブ。
レッドマーキーはこれまでの3日間で感じたことのないような謎の緊張感がはっきりと感じられた。
定刻になり、照明が変化した瞬間、怒号のような歓声が上がる。
「この熱気はなんなんだ?!」とちょっと恐怖感を覚える。
謎の鳥人間のような会人に続き、平沢進が登場した瞬間、またも凄まじい歓声が上がった。
謎のレーザーハープを操り、手をかざす教祖・・・
さながら宗教行事を観ているようだった(知らないけど)
そして、ちょっと怖いけど普通に曲がカッコよく、なんでこれまで聴いてこなかったのか反省した。
ファンからするとフジロックに出ることは大事件らしく、たまたま、何となく行ってしまった自分はある意味ラッキーだったかもしれない。
衝撃度で言えばケミブラに並ぶほどのインパクトのあるライブだった。
いよいよ大トリTHE CURE。作品数も多く、まだまだ聴ききれてないこともあり
正直半分以上わからなかった。もう少し聴いてくれば良かった。。。
それでも初めて聴いても耳馴染みの良い曲が多かった。
中盤のInbetween DaysからのJust Like Heaven、終盤のFriday I'm In Loveと
最後に演奏したBoys Don't Cryが胸に沁みた。良い締めだった。
帰りの車の都合でJames Blakeは観れず僕のフジロックは終了。
初めてのフジロックは、初めてにして、過去最大規模の土砂降りにメンタルを
やられかけるも、それでもやっぱり音楽に支えられ、音楽のためなら
何故か肉体が何度でも蘇る生命の不思議を感じた3日間だった。
来年は行くのだろうか、今はまだわからないけれど、
きっと来年も夏前くらいになったら『フジロックに行きたい』と
言っている自分がいる気がします。ありがとうフジロック。